中学入試の募集要項には、当日の時刻が1つではなく複数書かれている。「開門」「開場」「入室開始」「受付開始」「集合」「着席完了」「試験開始」——言い方も区切り方も学校ごとに違い、どれに合わせて家を出ればよいのかが要項を読んだだけでは分かりにくい。2027年度入試の要項を読み比べると、同じ午前入試でも、開門から集合までに置かれた時間は25分の学校と60分の学校がある。午後入試では最大で2時間30分あいだが空く学校もある。

この差は、当日の過ごし方をそのまま左右する。開門が集合の1時間前なら、受験生は校内で待てる。開門が集合の10分前なら、その10分より前に着いた家族は校門の外で待つことになる。山脇学園中学校は要項に「早くいらしても、開門・受付前には、学校の敷地内に入ることはできません。その旨ご了承ください」と書いており、早着が解決策にならないことを明示している。

本記事では、首都圏と関西の私立中学36校の2027年度募集要項および公式入試ページから、開門(開場・入室開始)と集合(着席完了)の時刻を拾い、両者の間隔を比べた。時刻はすべて各校の公表資料に書かれたとおりに記載している。

一覧:2027年度入試の開門時刻と集合時刻(36校)

午前入試の第1回(それに相当する回)を基準に並べた。括弧内は要項での呼称で、「開場」「入室開始」「受付開始」はいずれも受験生が校内に入れる時刻を指す。「—」は要項に時刻の記載がないもの。

学校 所在 校内に入れる時刻 集合(着席) 間隔 備考
世田谷学園 東京 7:30(開門) 8:30 60分 1次〜3次試験。算数(9:00〜10:00)から開始
本郷 東京 7:10(開場・予定) 8:00 50分 8:10から試験上の注意を放送
三田国際科学学園 東京 8:00(開門) 8:30 30分 午後入試は13:30開門・15:00集合
富士見 東京 7:15(開門・東門) 8:10(着席) 55分 諸注意8:10〜8:30、国語8:30開始
香蘭女学校 東京 7:50(開門) 8:15 25分 第2回(2/2午後)は14:20開門・14:45集合
山脇学園 東京 7:40(開門・受付開始) 8:20(入室) 40分 開門前は敷地内に入れないと明記
東京農業大学第一 東京 7:30(開門) 8:20 50分 第2回は13:00開門、集合15:20か16:00を選択
跡見学園女子 東京 7:00(開場) 8:00 60分 国語8:15開始
十文字 東京 7:45(開門) 8:30 45分 午後入試は14:00開門
大妻中野 東京 7:30(入場可) 8:30 60分 午後は14:00から入場可、集合14:40
恵泉女学園 東京 7:30(開門・受付) 8:00(礼拝) 30分 受付7:30〜7:55。保護者も礼拝に出席
東京家政大学附属女子 東京 7:30(入室開始) 8:20 50分 保護者控室の開室も7:30。開室前の入構は不可
女子聖学院 東京 — 7:30〜8:10 — 集合を40分の幅で指定。午後は14:00〜14:40
佼成学園女子 東京 8:00(開門) 8:40 40分 午後入試は14:00開門・14:10集合
安田学園 東京 7:50(開場) 8:20(着席完了) 30分 午後は13:50開場・14:20着席完了
駒込 東京 7:30(入校可) 8:15 45分 午後入試は正午から入校可、集合14:15
トキワ松学園 東京 8:00(受付開始) 8:30 30分 午後は14:15受付開始・14:45集合
東京成徳大学 東京 7:45(開門) 8:30 45分 開門・開場8:00・集合の3段階を明記
芝浦工業大学附属 東京 7:30(開場) 8:30(入室・着席) 60分 午後入試は14:30集合
神奈川大学附属 神奈川 7:30(開門) 8:20 50分 開場8:00。第1回は13:00開門・14:30開場・15:00集合
山手学院 神奈川 7:30(入室開始) 8:00 30分 「集合時間の30分前から入室できます」
関東学院 神奈川 集合の30分前(試験場) — 30分 待機場所は集合の1時間前に開場
森村学園 神奈川 7:40(入場可) 8:30(受付終了) 50分 受付時間は7:50〜8:30
北鎌倉女子学園 神奈川 8:20(受付開始) 8:50 30分 試験開始9:00。午後は14:30受付・15:00集合
聖園女学院 神奈川 — 8:20(講堂受付) — 午後は15:50。英語チャレンジは受付17:40〜18:20
捜真女学校 神奈川 — 15:30 — 午後入試。国語15:40開始
昭和学院秀英 千葉 7:20(開門) 8:20 60分 午後特別入試は13:00開門・14:30集合
市川 千葉 — 8:15 — 8:20から出欠調査
麗澤 千葉 — 8:15 — 学科試験8:30。午後2科型は12:00集合
大宮開成 埼玉 7:00(開門) 8:30(集合完了) 90分 受付開始7:10。第1回は前半・後半の2部制
城北埼玉 埼玉 8:00(入室開始) 8:50(入室完了) 50分 午後は14:00入室開始・14:50入室完了
西武学園文理 埼玉 7:30(開門) 8:30(入室完了) 60分 特待入試は13:00開門・14:00入室完了
昌平 埼玉 9:00(入室開始・外部会場) 9:10(入室完了) 10分 外部会場の午後入試は13:30入室開始
高槻 大阪 7:30(開門) 8:15(着席) 45分 B日程は12:30開門・14:15着席
清風南海 大阪 7:00(開門) 8:00(着席) 60分 試験開始8:30。着席は開始30分前まで
須磨学園 兵庫 — 8:30(集合・点呼) — 8:35アンケート記入、8:50国語開始

午前入試は25〜90分、午後入試は最大2時間30分

午前入試で開門と集合の両方を公表している学校では、間隔は25分から90分に分布した。最も短いのは香蘭女学校中等科の25分(7:50開門・8:15集合)で、最も長いのは大宮開成中学校の90分(7:00開門・8:30集合完了)だった。大宮開成は第1回入試の収容数を前半1,170名・後半1,250名と公表しており、受付開始を7:10(前半)と8:20(後半)に分け、集合完了も8:30と9:30の2段階に設計している。開門が早いのは、2,400名規模の受験生を校内で受け入れるためである。

午後入試では間隔がさらに広がる。東京農業大学第一高等学校中等部の第3回(2/2)は12:00開門で、集合は14:30または15:30。開門から最初の集合まで2時間30分あり、同校は「各回とも控室を用意しています」「控室では飲食が可能です」と要項に明記している。第1回を同校で受験した家庭が、そのまま校内で待てる設計になっている。神奈川大学附属中学校の第1回(2/1午後)も13:00開門・14:30開場・15:00集合で、開門から集合まで2時間ある。

逆に、午後入試で間隔が極端に短い学校もある。佼成学園女子中学校は「午前入試は8:00開門、8:40集合です。午後入試は14:00開門、14:10集合です」と要項に書いており、午後は開門から集合まで10分しかない。午前入試を別の学校で受けてから移動してくる受験生が多い午後入試では、開門が遅く設定され、待機時間がほとんど用意されないことがある。

「開門前は敷地に入れない」と明記する学校

早めに着けば校内で待てる、とは限らない。山脇学園中学校は注意事項の冒頭に「①開門・受付開始時刻について」という項目を立て、「※早くいらしても、開門・受付前には、学校の敷地内に入ることはできません。その旨ご了承ください」と書いている。同校の開門・受付開始は一般入試A・Cと英語入試A・Cが7:40で、8:20までに試験教室へ入室するよう求めている。

東京家政大学附属女子中学校も「各受験回の控室開室時刻より前の入構はできません」と要項に明記する。同校の入室開始時刻と保護者控室の開室時刻はいずれも午前7:30・午後14:00で揃えられており、受験生と保護者が同時刻に校内へ入る設計になっている。控室については「午前入試と午後入試の両方を受験予定の場合は、午前入試と午後入試の間に一旦閉室しますが、引き続き保護者控室をご利用いただけます」とも書かれている。

一方で、開場前に着いた受験生を受け入れる学校もある。神奈川大学附属中学校は保護者向けページで「開場時間より早く到着した受験生も控え室をご利用いただけます」と案内し、さらに「天候等により、控え室の空調環境が最適にならない場合がございます。ひざ掛けや厚手の靴下などをあらかじめご準備いただくことをおすすめします」と書き添えている。

集合時刻を「幅」で示す学校、受験生が選べる学校

集合時刻を1点で指定しない学校がある。女子聖学院中学校は募集要項の一覧表で、集合時間を「AM7:30〜8:10」「PM14:00〜14:40」と40分の幅で記載している。森村学園中等部も「受付時間7:50〜8:30」とし、注意事項で「午前7時40分から試験会場に入場できます。(受付開始は午前7時50分です。)」と補っている。幅で示す学校では、その時間内に手続きを終えればよい。

さらに進んで、集合時刻そのものを受験生が選べる学校もある。東京農業大学第一高等学校中等部は第2回(2/1午後)の集合を15:20と16:00、第3回(2/2午後)を14:30と15:30の2枠用意し、「集合時間の登録は不要です」「第2回・第3回の試験は希望する集合時間にお越しください」としている。出願時に申告する必要がなく、当日の都合で選べる。

山手学院中学校の特待選抜(2/1午後)はグループ制で、グループ①は16:00集合(15:30から入室可)、グループ②は17:05集合(16:30から入室可)。受験票には「※集合時間の30分前から入室できます」と印字される。山脇学園中学校の国語・算数1科入試は15:00集合だが、「15:00の集合に間に合わない可能性のある方は、事前(出願〜当日14:00まで)にご連絡いただくことにより、15:45集合の回で受験していただくことが可能です[受付開始15:30、試験時間16:00〜17:00]」と、遅い回への振り替えを制度として用意している。

「開門」「開場」「入室開始」を3段階で示す学校

校門をくぐる時刻と、校舎(試験場)に入れる時刻を分けて公表する学校がある。東京成徳大学中学校は一般選抜入試の時間割に「開門 7:45/開場 8:00/集合 8:30」と3つの時刻を並べ、午後の特待選抜入試は「開門 14:15/開場 14:30/集合 15:00」とする。神奈川大学附属中学校も入試要項の表に「集合8:20(開門7:30 開場8:00)」と書き、帰国生入試(2026年12月22日)だけは「集合9:40(開門・開場9:00)」として開門と開場を同時刻にしている。

関東学院中学校は時刻を絶対値で示さず、相対で定めている。要項には「試験日は集合時刻の1時間前に待機場所を開場、30分前に試験場を開場します」とある。集合時刻が回によって違っても、待機場所は常に1時間前、試験場は30分前に開くという書き方で、受験生側の計算の手間を減らしている。同校は2月1日について「昼食場所として11:45〜14:30 中学校新館地下1Fを利用できます(営業はしておりません)」とも案内する。

集合から試験開始までは10〜30分

集合時刻は試験開始時刻ではない。間に諸注意・点呼・解答用紙の配付が入るため、各校はおおむね10〜30分を取っている。

学校 集合から試験開始まで 所要 要項の記載
富士見 8:10着席 → 8:30国語 20分 8:10〜8:30に試験の注意事項を説明
香蘭女学校 8:15集合 → 8:30国語 15分 —
東京成徳大学 8:30集合 → 8:40試験 10分 「集合時間までに試験教室に入室してください」
清風南海 8:00着席 → 8:30試験開始 30分 8:00〜8:30に志願書回収と受験の注意
大宮開成 8:30集合完了 → 8:45国語 15分 8:30〜8:40に受験上の注意
城北埼玉 8:50入室完了 → 9:00国語 10分 入室完了時に諸注意
須磨学園 8:30集合・点呼 → 8:50国語 20分 8:35からアンケート記入
山手学院 8:00集合 → 8:15国語 15分 8:00〜8:15に諸注意等
昌平 9:10入室完了 → 9:20国語 10分 9:10〜9:15に諸注意
安田学園 8:20着席完了 → 8:30国語 10分 —

この10〜30分は、席に着いてから最初の問題に向かうまでの準備時間にあたる。清風南海中学校のように30分を取る学校では、志願書の回収や説明がこの時間に行われる。

保護者・受験生への影響と対策

第一に、確認すべき時刻は「集合」ではなく「校内に入れる時刻」と「集合」の2つである。集合時刻だけを手帳に書くと、早く着いたときに校門の外で待つ事態になりうる。山脇学園中学校や東京家政大学附属女子中学校のように開門前の入構を断る学校では、真冬の屋外で待つ時間が発生する。逆に跡見学園女子中学校(7:00開場・8:00集合)や清風南海中学校(7:00開門・8:00着席)のように1時間前から入れる学校では、校内で落ち着いて待てる。

第二に、午後入試は開門時刻の確認がより重要になる。佼成学園女子中学校の午後入試のように開門が集合の10分前という設計では、早着しても校内に入れない。反対に東京農業大学第一高等学校中等部や芝浦工業大学附属中学校(午前入試終了後に待機場所を準備)のように、午前からの連続受験を前提に待機場所を用意する学校もある。同じ学校で午前・午後を続けて受ける場合、昼食をとれる場所と時間が要項に書かれていることが多い。

第三に、集合に間に合わない見込みが立った時点で学校へ連絡する。十文字中学校は「個人的な理由による遅刻は、集合時間から30分までは受験を認めますが、1時間目の試験が始まってからは全科目とも受験できません」として、集合時刻を起点に30分という猶予を示している。一方で東京農業大学第一高等学校中等部は「試験開始後の入室は認めません。ただし、公共交通機関の乱れによる遅刻は受験生の不利にならないよう配慮します。遅刻の連絡も不要です」と、理由によって扱いを分けている。学校ごとに起点(集合時刻か試験開始時刻か)と猶予が違うため、自分の受ける学校の記載を読んでおく。

第四に、集合時刻が選べる学校・幅で示される学校では、早い枠を選ぶほうが当日の余裕は大きい。ただし東京農業大学第一高等学校中等部の第3回のように、遅い枠を選べば午前入試との併願が組みやすくなる。大宮開成中学校の第1回は前半・後半を出願時に選択する方式で、「出願順に受け付けるため、収容数に達した際はご希望に添えない場合があります」と注記されている。同校は「他校の午後受験がある方は、第1回入試(1/10)については、出願時に『前半』を選択し、かつ当日、受付開始時間以降の早めの来校をお勧めします」と、併願者向けの指示まで書いている。枠の選択は出願の段階で決まるため、出願前に時間割を見比べておく必要がある。

今後のスケジュール

時期 できごと 確認すること
2026年10月〜11月 東京・神奈川校の2027年度募集要項の公開が続く 開門・集合時刻は要項本体か「入試当日のご案内」に記載
2026年11月〜12月 帰国生入試の実施 神奈川大学附属は12月22日(集合9:40・開門9:00)、富士見は12月20日(集合8:45・開門8:00)
2026年12月〜2027年1月 「入試当日のご案内」「試験当日の注意」の公開 西武学園文理はスクールバスのダイヤを出願期間中に掲載
2027年1月10日 首都圏の多くの学校でWeb出願受付が開始 集合時刻の枠を出願時に選ぶ学校はこの時点で決定
2027年1月10日〜17日 埼玉・千葉・関西の入試 大宮開成1/10、清風南海1/17(A入試)、高槻1/16(A日程)
2027年2月1日〜 東京・神奈川の入試 午前・午後の連続受験は開門時刻と待機場所を事前確認

よくある質問

開門時刻より早く着いてしまったら、どこで待てばよいですか

学校によって扱いが違う。神奈川大学附属中学校は「開場時間より早く到着した受験生も控え室をご利用いただけます」として受け入れる。一方、山脇学園中学校は「早くいらしても、開門・受付前には、学校の敷地内に入ることはできません」、東京家政大学附属女子中学校は「各受験回の控室開室時刻より前の入構はできません」と明記しており、この場合は校外で待つことになる。要項に記載がない場合は、開門時刻の直前に着くよう逆算するのが無難である。なお大宮開成中学校は自家用車・タクシーでの来校・送迎を「厳禁」としており、車内で待つという方法が使えない学校もある。

集合時刻に間に合わなければ受験できませんか

多くの学校は集合時刻に遅れても受験を認めるが、限度と起点が異なる。十文字中学校は集合時間から30分まで(ただし1時間目の試験が始まったら不可)、富士見中学校と山脇学園中学校は試験開始後10分以内まで、高槻中学校は1教科目の国語の試験開始30分以内まで入室を認める。神奈川大学附属中学校は試験開始後20分までの遅刻について受験を認めるとし、森村学園中等部は「試験開始より20分以上遅刻した場合は、受験できません」とする。市川中学校は「試験開始後に到着した場合は、試験途中から残り時間内での受験となります」と案内する。いずれも時間延長はないため、遅刻すれば解答時間が削られる。見込みが立った時点で学校へ電話するのが原則で、電話番号は受験票や要項に記載されている。

保護者は何時から校内に入れますか

保護者控室の開室時刻は受験生の入室時刻と同じ学校と、別に定める学校がある。東京家政大学附属女子中学校は控室の開室時刻を受験生の入室開始と同じ午前7:30・午後14:00に揃えている。関東学院中学校は待機場所を集合時刻の1時間前に開け、試験場の開場(30分前)より早く保護者を受け入れる。大妻中野中学校は「2月2日は、受験生・保護者とも、正午(12時)より控室をご利用できます」と午後入試日の開室時刻を別に案内する。恵泉女学園中学校は受付後の礼拝・諸連絡に保護者も出席することを求めており、控室の利用が任意ではない。城北埼玉中学校のように「各会場とも保護者控え室はございませんのでご了承ください」と控室を設けない学校もあるため、控室の有無と開室時刻は要項で確認しておく。

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出典

最終更新: 2026年10月10日。掲載内容は出典時点の公表情報に基づきます。最新の募集要項は各校公式サイトで必ずご確認ください。

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