神奈川県は2026年10月21日、2027年度(令和9年度)の私立高等学校・中学校・中等教育学校の生徒募集および生徒納付金の概要を記者発表資料として公表しました。私立中学校(公募校)の初年度納付金は平均110万3,655円で、前年度より2万4,995円(2.3%)上がっています。最高額は慶應義塾湘南藤沢中等部の161万円、最低額は聖ステパノ学園中学校の61万円でした。

この発表の特徴は、県内の私立中学校すべてについて、入学金・授業料・初年度納付金の合計・入学検定料が1つの資料にまとまっている点です。学校ごとに学費ページを探さなくても、同じ基準で横に並べて比べられます。この記事では県が公表した募集要項(PDF)から公募する54校の初年度納付金を高い順に一覧化し、さらに前年度の同じ資料と突き合わせてどの学校がいくら値上げしたのかを学校別に整理しました。

なお県の集計はいずれも2026年10月21日現在のものです。慶應義塾普通部・慶應義塾湘南藤沢中等部・法政大学第二中学校の3校は、要項に「納付金については、改定する可能性があります」と注記されています。出願前には必ず各校の最新の募集要項をご確認ください。

私立中学校の初年度納付金は平均110万3,655円、前年度比2.3%増

県が公表した私立中学校(公募校)の生徒納付金の平均額は次のとおりです。「入学時納付金」は入学初年度の入学時点で納入する費用、「授業料等納付金」は毎年度納入する費用を指します。

納付金区分 令和9年度(2027年度) 令和8年度(2026年度) 増減 対前年
入学金 250,000円 248,181円 +1,819円 100.7%
入学金以外の入学時納付金 140,555円 134,363円 +6,192円 104.6%
入学時納付金 計 390,555円 382,545円 +8,010円 102.1%
授業料(年額) 527,137円 513,225円 +13,912円 102.7%
授業料以外 185,963円 182,889円 +3,074円 101.7%
授業料等納付金 計 713,100円 696,114円 +16,986円 102.4%
初年度納付金 1,103,655円 1,078,660円 +24,995円 102.3%

伸びが大きいのは入学金以外の入学時納付金(施設費や設備費など)で前年度比4.6%増、次に授業料の2.7%増です。入学金そのものは0.7%増にとどまっており、値上げは入学金ではなく「入学時に入学金と一緒に納める費用」と「授業料」で起きていることが読み取れます。

参考として、同時に公表された全日制私立高校(公募校)の初年度納付金は平均103万2,527円(前年度比2万3,643円増・2.3%増)でした。中学校のほうが約7万円高く、上昇率は中高で同じ2.3%です。

2027年度 神奈川の私立中学校54校 初年度納付金一覧(高い順)

県の「令和9年度 私立中学校生徒募集要項」に掲載された公募54校を、初年度納付金の合計が高い順に並べました。「入学時納付金」は入学金と入学金以外の入学時納付金の合計です。初年度納付金は、入学時納付金に授業料(年額)と授業料以外の初年度納付金を加えた額です。

# 学校名 所在地区 入学金 入学時納付金 授業料(年額) 初年度納付金 入学検定料
1 慶應義塾湘南藤沢中等部 藤沢 340,000円 340,000円 970,000円 1,610,000円 30,000円
2 慶應義塾普通部 横浜 340,000円 340,000円 970,000円 1,530,000円 30,000円
3 聖光学院中学校 横浜 300,000円 580,000円 588,000円 1,510,000円 30,000円
4 公文国際学園中等部 横浜 310,000円 310,000円 744,000円 1,338,700円 25,000円
5 横浜雙葉中学校 横浜 300,000円 500,000円 552,000円 1,304,000円 25,000円
6 星槎中学校 横浜 210,000円 370,000円 720,000円 1,280,000円 30,000円
7 横浜女学院中学校 横浜 300,000円 410,000円 612,000円 1,256,000円 22,000円
8 山手学院中学校 横浜 260,000円 500,000円 540,000円 1,241,800円 25,000円
9 青山学院横浜英和中学校 横浜 280,000円 400,000円 648,000円 1,240,000円 25,000円
10 横浜共立学園中学校 横浜 300,000円 500,000円 528,000円 1,232,000円 25,000円
11 浅野中学校 横浜 300,000円 300,000円 588,000円 1,212,000円 30,000円
12 カリタス女子中学校 川崎 240,000円 490,000円 480,000円 1,198,000円 22,000円
13 湘南白百合学園中学校 藤沢 300,000円 500,000円 522,000円 1,196,000円 25,000円
14 法政大学第二中学校 川崎 300,000円 350,000円 558,000円 1,190,000円 30,000円
15 栄光学園中学校 鎌倉 300,000円 600,000円 588,000円 1,188,000円 25,000円
16 森村学園中等部 横浜 250,000円 395,000円 600,000円 1,177,000円 25,000円
17 中央大学附属横浜中学校 横浜 290,000円 290,000円 588,000円 1,168,000円 30,000円
18 サレジオ学院中学校 横浜 300,000円 300,000円 576,000円 1,164,000円 30,000円
19 逗子開成中学校 逗子 250,000円 430,000円 480,000円 1,162,000円 25,000円
20 鎌倉女学院中学校 鎌倉 340,000円 440,000円 516,000円 1,160,000円 25,000円
21 鎌倉国際文理中学校 鎌倉 250,000円 430,000円 468,000円 1,148,000円 22,000円
22 フェリス女学院中学校 横浜 300,000円 300,000円 570,000円 1,140,000円 25,000円
23 関東学院中学校 横浜 230,000円 430,000円 444,000円 1,132,000円 22,000円
24 湘南学園中学校 藤沢 250,000円 400,000円 540,000円 1,132,000円 20,000円
25 横須賀学院中学校 横須賀 230,000円 430,000円 456,000円 1,126,000円 20,000円
26 日本女子大学附属中学校 川崎 250,000円 402,000円 571,000円 1,125,000円 25,000円
27 神奈川学園中学校 横浜 250,000円 400,000円 480,000円 1,120,000円 20,000円
28 開智横浜国際中学校 横浜 200,000円 340,000円 384,000円 1,108,000円 20,000円
29 捜真女学校中学部 横浜 250,000円 400,000円 480,000円 1,108,000円 20,000円
30 関東学院六浦中学校 横浜 230,000円 430,000円 510,000円 1,105,600円 23,000円
31 鎌倉学園中学校 鎌倉 250,000円 500,000円 456,000円 1,097,600円 25,000円
32 横浜富士見丘学園中学校 横浜 250,000円 400,000円 480,000円 1,072,000円 22,000円
33 神奈川大学附属中学校 横浜 250,000円 250,000円 610,000円 1,040,000円 25,000円
34 清泉女学院中学校 鎌倉 300,000円 420,000円 468,000円 1,020,000円 25,000円
35 聖園女学院中学校 藤沢 250,000円 500,000円 504,000円 1,016,000円 20,000円
36 アレセイア湘南中学校 茅ヶ崎 210,000円 410,000円 468,000円 998,000円 20,000円
37 武相中学校 横浜 200,000円 400,000円 468,000円 988,000円 20,000円
38 日本大学中学校 横浜 230,000円 230,000円 540,000円 984,500円 25,000円
39 相模女子大学中学部 相模原 200,000円 400,000円 468,000円 982,000円 20,000円
40 聖和学院中学校 逗子 200,000円 400,000円 432,000円 982,000円 20,000円
41 日本大学藤沢中学校 藤沢 230,000円 230,000円 528,000円 980,500円 25,000円
42 鶴見大学附属中学校 横浜 200,000円 400,000円 420,000円 976,000円 20,000円
43 聖セシリア女子中学校 大和 250,000円 350,000円 456,000円 971,000円 20,000円
44 横浜創英中学校 横浜 210,000円 380,000円 456,000円 956,000円 25,000円
45 横浜翠陵中学校 横浜 210,000円 380,000円 456,000円 956,000円 25,000円
46 洗足学園中学校 川崎 240,000円 418,000円 532,400円 950,400円 25,000円
47 桐光学園中学校 川崎 220,000円 220,000円 528,000円 947,320円 22,000円
48 東海大学付属相模高等学校中等部 相模原 200,000円 410,000円 396,000円 942,000円 23,000円
49 北鎌倉女子学園中学校 鎌倉 200,000円 370,000円 432,000円 934,000円 20,000円
50 横浜隼人中学校 横浜 210,000円 310,000円 468,000円 928,000円 20,000円
51 藤嶺学園藤沢中学校 藤沢 200,000円 400,000円 480,000円 922,000円 20,000円
52 大西学園中学校 川崎 170,000円 340,000円 456,000円 856,000円 21,000円
53 相洋中学校 小田原 220,000円 370,000円 420,000円 790,000円 24,000円
54 聖ステパノ学園中学校 中郡 150,000円 270,000円 300,000円 610,000円 20,000円

初年度納付金が100万円以上は35校、100万円未満は19校です。最も高い慶應義塾湘南藤沢中等部(161万円)と最も低い聖ステパノ学園中学校(61万円)の差は100万円あり、同じ県内の私立中学校でも初年度にかかる費用は2.6倍の幅があります。

表の金額には注意点が2つあります。横浜女学院中学校はクラスによって納付金が異なり、国際教養クラスとサイエンスクラスが125万6,000円、アカデミークラスは授業料が49万2,000円で初年度113万6,000円です。北鎌倉女子学園中学校も先進コースが93万4,000円、音楽コースが120万6,000円と分かれています。表にはそれぞれ国際教養・サイエンスクラスと先進コースの額を掲載しました。

初年度納付金を値上げしたのは22校、据え置きは31校

県の資料には、納付金を値上げ・据置・減額した学校数が区分別に示されています。公募する私立中学校54校の内訳は次のとおりです。

区分 値上げ 据置 減額
入学時納付金 7校 47校 0校
授業料等納付金 20校 32校 2校
初年度納付金(合計) 22校 31校 1校

つまり4割にあたる22校が初年度の費用を上げ、6割弱の31校は据え置いたことになります。県の資料は学校数だけを示し、どの学校がいくら上げたのかは示していません。そこで前年度(令和8年度)の同じ募集要項と1校ずつ突き合わせたのが次の表です。増額が大きい順に並べています。

学校名 2026年度 2027年度 増額 増加率
横浜女学院中学校 1,008,000円 1,256,000円 +248,000円 +24.6%
横須賀学院中学校 1,030,000円 1,126,000円 +96,000円 +9.3%
鎌倉女学院中学校 1,088,000円 1,160,000円 +72,000円 +6.6%
フェリス女学院中学校 1,074,000円 1,140,000円 +66,000円 +6.1%
山手学院中学校 1,181,800円 1,241,800円 +60,000円 +5.1%
日本女子大学附属中学校 1,065,000円 1,125,000円 +60,000円 +5.6%
日本大学中学校 933,500円 984,500円 +51,000円 +5.5%
日本大学藤沢中学校 929,500円 980,500円 +51,000円 +5.5%
横浜共立学園中学校 1,182,000円 1,232,000円 +50,000円 +4.2%
慶應義塾普通部 1,480,000円 1,530,000円 +50,000円 +3.4%
サレジオ学院中学校 1,114,000円 1,164,000円 +50,000円 +4.5%
慶應義塾湘南藤沢中等部 1,560,000円 1,610,000円 +50,000円 +3.2%
神奈川学園中学校 1,072,000円 1,120,000円 +48,000円 +4.5%
捜真女学校中学部 1,060,000円 1,108,000円 +48,000円 +4.5%
森村学園中等部 1,137,000円 1,177,000円 +40,000円 +3.5%
青山学院横浜英和中学校 1,204,000円 1,240,000円 +36,000円 +3.0%
アレセイア湘南中学校 962,000円 998,000円 +36,000円 +3.7%
大西学園中学校 824,000円 856,000円 +32,000円 +3.9%
藤嶺学園藤沢中学校 892,000円 922,000円 +30,000円 +3.4%
横浜富士見丘学園中学校 1,048,000円 1,072,000円 +24,000円 +2.3%
法政大学第二中学校 1,184,000円 1,190,000円 +6,000円 +0.5%
公文国際学園中等部 1,333,600円 1,338,700円 +5,100円 +0.4%

最も大きいのは横浜女学院中学校の24万8,000円増(24.6%増)です。同校は2027年度入試でサイエンスクラスを新設し、それに伴って「算数・理科2科目入試」を設けたことを7月に公表しています。クラス体制の変更と納付金の改定が同時に行われた形で、前年度のアカデミークラス100万8,000円と比べると初年度の負担は大きく変わります。

次に大きいのが横須賀学院中学校の9万6,000円増、鎌倉女学院中学校の7万2,000円増、フェリス女学院中学校の6万6,000円増です。一方、法政大学第二中学校(6,000円増)と公文国際学園中等部(5,100円増)は1万円未満の小幅な改定にとどまりました。「値上げ22校」といっても、増額幅は5,100円から24万8,000円まで大きく開いています。

初年度納付金が下がったのは開智横浜国際中学校の1校だけで、126万4,000円から110万8,000円へ15万6,000円減りました。同校は2026年度まで聖ヨゼフ学園中学校として募集していた学校です。聖ヨゼフ学園は2026年6月1日に開智学園との設置法人の変更に関する合意を公表し、7月31日に変更の認可、8月5日に「開智横浜国際中学・高等学校」のホームページ公開を自校サイトで順次知らせています。設置法人の変更に合わせて納付金が引き下げられたことが、県の資料の比較から確認できます。

入学時納付金を上げたのは7校です。前年度の資料と照合すると、横浜女学院中学校(30万円→41万円)、鎌倉学園中学校(40万円→50万円)、日本女子大学附属中学校(35万2,000円→40万2,000円)、サレジオ学院中学校(25万円→30万円)、横浜共立学園中学校(45万円→50万円)、森村学園中等部(37万5,000円→39万5,000円)、大西学園中学校(32万円→34万円)が該当します。入学時にまとまった額を納める部分が上がると、他校との併願で入学辞退を迷ったときの負担が重くなります。

入学金・授業料・検定料で見る高い学校と安い学校

県の資料は区分ごとの最高額・最低額も示しています。

区分 最高額 最低額
入学時納付金 60万円(栄光学園中学校) 22万円(桐光学園中学校)
授業料等納付金 127万円(慶應義塾湘南藤沢中等部) 34万円(聖ステパノ学園中学校)
初年度納付金 161万円(慶應義塾湘南藤沢中等部) 61万円(聖ステパノ学園中学校)

注目したいのは入学時納付金の最高が栄光学園中学校の60万円という点です。同校の初年度納付金は118万8,000円で全体の15番目ですが、入学金30万円と入学金以外30万円を入学時に納める構成のため、入学手続の時点で出ていく額は県内で最も大きくなります。逆に桐光学園中学校は入学金22万円のみで入学金以外が0円、授業料以外の初年度納付金を加えた合計は94万7,320円です。

一方、入学金以外の入学時納付金が0円の学校は11校あります。浅野中学校、フェリス女学院中学校、慶應義塾普通部、日本大学中学校、公文国際学園中等部、神奈川大学附属中学校、サレジオ学院中学校、中央大学附属横浜中学校、桐光学園中学校、慶應義塾湘南藤沢中等部、日本大学藤沢中学校です。入学手続時の支払いは入学金だけで済みます。

入学検定料は2万円から3万円に分布しています。3万円は8校(浅野中学校、聖光学院中学校、慶應義塾普通部、星槎中学校、サレジオ学院中学校、中央大学附属横浜中学校、法政大学第二中学校、慶應義塾湘南藤沢中等部)で、最も安いのは2万円です。前年度から検定料を上げたのは湘南白百合学園中学校(1万5,000円→2万5,000円)、日本大学藤沢中学校(2万円→2万5,000円)、サレジオ学院中学校(2万5,000円→3万円)、大西学園中学校(2万円→2万1,000円)の4校でした。

検定料には複数回出願の割引が設けられている学校が多く、県の備考欄にも記載があります。神奈川大学附属中学校は第1回から第3回を同時出願すると5万円(1回ずつなら2万5,000円×3回で7万5,000円)、東海大学付属相模高等学校中等部は3回同時出願で4万3,000円、相模女子大学中学部は2万2,000円で複数回出願が可能、横浜隼人中学校は一般入試型なら2万円で最大3回、清泉女学院中学校は二試験同時出願4万3,000円・三試験同時出願4万8,000円です。

私立中等教育学校2校は桐蔭学園と自修館

神奈川県の私立中等教育学校は2校で、募集人員は合わせて350人(前年度と同数)です。納付金は次のとおりです。

学校名 所在地区 入学金 入学時納付金 授業料(年額) 初年度納付金 入学検定料
桐蔭学園中等教育学校 横浜 240,000円 527,000円 642,000円 1,318,300円 25,000円
自修館中等教育学校 伊勢原 230,000円 230,000円 504,000円 1,076,000円 22,000円

桐蔭学園中等教育学校の初年度131万8,300円は、私立中学校54校と並べると慶應義塾湘南藤沢中等部・慶應義塾普通部・聖光学院中学校・公文国際学園中等部に次ぐ5番目の水準です。なお同校は帰国生入試を2026年度募集以降行わないことを県の要項の備考欄に記載しています。

試験日は54校中48校が2月1日に初回入試

同じ発表には試験日程の集計も含まれています。中学校・中等教育学校の89.3%が2月1日(月曜日)に初回の試験を実施します。初回試験日の内訳は次のとおりです。

初回試験日 2月1日(月) 2月2日(火) 2月3日(水) 2月5日(金) 合計
私立中学校 48校 4校 1校 1校 54校
私立中等教育学校 2校 – – – 2校

2027年度入試は2月1日が月曜日にあたります。県内の私立中学校の大半が2月1日に初回入試を置くため、第1志望の学校を1校しか受けられないという構図は変わりません。初回を2月2日以降に設定している数校(県の集計では2月2日が4校、2月3日が1校、2月5日が1校)は、2月1日に他校を受けた受験生の併願先になりやすい日程です。

参考として、神奈川県内の公立高校の共通選抜は2027年2月16日・17日・18日に検査、2月26日に合格発表です。中学入試とは時期が離れているため、きょうだいで中学受験と高校受験が重なる家庭でも日程上の衝突は起きにくくなっています。

私立中学校の募集人員は7,543人、前年度から125人減

募集の規模も前年度から動いています。

区分 令和9年度 令和8年度 増減
公募する私立中学校 54校 55校 -1校
併設校からのみ募集する中学校 1校 1校 0校
私立中学校の公募人数 7,543人 7,668人 -125人
併設校からの人数 1,221人 1,204人 +17人
私立中学校の募集人員 合計 8,764人 8,872人 -108人
私立中等教育学校の公募人数 350人 350人 0人

公募する学校が1校減り、公募人数は125人減りました。募集人員が減れば、受験者数が同じでも倍率は上がります。一方で併設校(系列小学校)からの進学枠は17人増えており、外部から受験できる枠が緩やかに縮んでいる形です。あわせて公表された私立中等教育学校は2校・350人で前年度と変わりません。

保護者・受験生への影響と、いま確認しておきたいこと

今回の発表から、受験の準備に直接関わる点を4つに整理します。

  • 初年度の資金計画は「平均110万円」ではなく志望校の実額で立てる。県平均は110万3,655円ですが、実際の幅は61万円から161万円まであります。志望校の初年度納付金を上の一覧で確認し、2.6倍の開きがあることを前提に見積もってください。
  • 入学時に出ていく額と、年間でかかる額を分けて見る。栄光学園中学校のように入学時納付金が60万円の学校と、桐光学園中学校のように22万円の学校では、入学手続の時点で必要な現金が38万円違います。併願校に入学金を納めてから第1志望の結果を待つ場合、この差がそのまま負担になります。
  • 値上げした22校を志望している場合は、昨年の資料で立てた計画を更新する。横浜女学院中学校のように20万円以上上がった学校があります。昨年度のパンフレットや前年度の学費情報を見て計画を立てていた場合は、必ず2027年度の額に置き換えてください。
  • 複数回受験するなら検定料の割引を先に調べる。同時出願の割引は出願の「タイミング」で適用が変わる学校があります。1回ずつ出願してから追加すると割引が効かないことがあるため、受験する回を決めてからまとめて出願するほうが安く済みます。

また、県の資料は納付金に含まれない費用(制服、学用品、学習用端末、積立金、宿泊行事費など)を集計していません。初年度の実際の支出は、表の初年度納付金にこれらが加わります。制服と学用品だけで10万円を超える学校も珍しくないため、学校ごとの学費ページや説明会資料で別途確認してください。

今後のスケジュール

時期 内容
2026年10月21日 神奈川県が令和9年度の私立中高の生徒募集・納付金概要を公表(今回の発表)
2026年11月〜12月 各校の帰国生入試(横浜女学院中学校11月28日、横浜雙葉中学校12月5日、カリタス女子中学校12月12日ほか)
2026年12月 東京都・千葉県・埼玉県の令和9年度私立中学校の学費調査が例年公表される時期
2027年1月5日〜1月12日 県内私立中学校の一般入試の出願受付開始(最も早い星槎中学校が1月5日、多くの学校は1月6日〜1月8日)
2027年2月1日 私立中学校48校・中等教育学校2校が初回入試
2027年2月2日〜2月7日 2回目以降の入試と合格発表(最終は2月7日の武相中学校第3回)
2027年2月16日〜18日 神奈川県内公立高校の共通選抜(参考)

出願開始は1月6日からの学校が多く、出願は年明けすぐです。納付金の確認と資金の準備は、年内に済ませておくのが安全です。

よくある質問

県が公表した「初年度納付金」には何が含まれますか

入学時納付金(入学金と、入学金以外に入学時点で納入する費用)と、授業料等納付金(年額の授業料と、授業料以外に初年度に納入する費用)の合計です。県は入学時納付金を「入学初年度のみ納入する納付金で、入学時点において納入する納付金」、授業料等納付金を「毎年度納入する納付金等」と定義しています。制服代、学用品費、学習用端末の費用、修学旅行などの積立金は含まれません。寄付金や学校債も別です。

この金額は確定したものですか

県の集計は2026年10月21日現在のものです。多くの学校はこの額で確定していますが、慶應義塾普通部・慶應義塾湘南藤沢中等部・法政大学第二中学校の3校は要項に「納付金については、改定する可能性があります」と注記されています。また横浜女学院中学校や北鎌倉女子学園中学校のようにクラス・コースで額が変わる学校もあります。出願前に各校の募集要項で最新の額を確認してください。

東京や千葉・埼玉の私立中学校と比べて高いのでしょうか

神奈川県の2027年度の私立中学校の初年度納付金は平均110万3,655円です。各都県は調査時期も集計の対象も異なるため単純な比較はできませんが、2026年度(令和8年度)時点では神奈川県の平均が107万8,660円でした。東京都・千葉県・埼玉県の令和9年度分は例年12月ごろに公表されるため、4都県をそろえて比べられるのは2026年12月以降になります。

関連記事

出典

最終更新: 2026年10月23日。掲載内容は出典時点の公表情報に基づきます。最新の募集要項は各校公式サイトで必ずご確認ください。

✨ 志望校選びに迷っていませんか?

AIが偏差値・適性から最適な志望校を診断します。

合格之助(中村先生)
合格之助(中村先生)

中学受験専門塾で長年、受験生と保護者の進路相談を担当している中村です。偏差値・倍率・過去問傾向・学校ごとの出題特徴をもとに、志望校選びをわかりやすくサポートしています。

特に得意なのは、単に偏差値だけで学校を判断するのではなく、
「倍率」「受験者数の推移」「合格可能性」「併願パターン」まで含めて、一人ひとりに合った本当に狙いやすい学校を見つけることです。