2027年2月に本番を迎える中学入試(現・小学6年生が対象)は、2月1日午後入試の新設と2月4日以降の後半日程の整理共学化・系列校化に伴う校名変更英検などの英語資格の活用拡大という3つの流れが鮮明になっています。四谷大塚が2026年8月7日に更新した「2027年入試変更点」には首都圏を中心に25校が掲載され、9月に入って各校の募集要項の公開も本格化しました。

この記事では、四谷大塚の最新調べと各校の公式発表をもとに、2027年度入試の変更点を「日程・試験回」「共学化・校名変更」「英語資格の活用」「定員・科目」の4つに分けて整理し、併願戦略への影響と9月以降のスケジュールをまとめます。数値・日程はすべて出典時点の公表情報です。最終的な内容は各校の募集要項で必ずご確認ください。

2027年度入試の変更点、3つの大きな流れ

四谷大塚の一覧(8/7更新)に掲載された25校の変更内容を分類すると、次の3点に集約されます。

  • 2月1日午後への集中と、後半日程の縮小。城北・大妻・日本女子大学附属・明治大学付属世田谷・光塩女子学院などが午後入試を新設する一方、城北(2/4)、東京農業大学第一(2/4午前)、大妻(2/5)、女子美術大学付属(2/3)などは後半の回を廃止します。
  • 共学化・系列校化・校名変更。藤村女子は「吉祥寺湧水」として共学化、東京家政学院は法政大学の系列校「法政大学千代田三番町」へ、聖ヨゼフ学園は「開智横浜国際」へと変わります。
  • 英検など英語資格の活用拡大。共立女子は英検級による加点方式へ、神奈川大学附属は英語資格による国語の得点換算を導入、海陽中等教育学校も英検資格利用を始めます。

日程・試験回の変更(新設・廃止)

受験カレンダーに直結する変更です。特に2月1日午後の選択肢が増える一方で、2月4日以降の「敗者復活」枠が減っている点は、併願パターンを組むうえで最重要のポイントです。

学校 変更内容(2027年度入試)
城北 帰国生選抜(1/5)と算数選抜(2/1午後・定員30名)を新設。第3回(2/4)は廃止。定員は第1回が15名減の100名、第2回が5名増の130名、帰国生選抜は20名。募集要項は9月1日に公開済み。
大妻 2/1午後に2科(国語・算数)入試「午後」を新設(定員40名)。2/5の第4回(4科・定員40名)は廃止。2027年度は2/1午前・2/2午前・2/3午前(各4科)と2/1午後(2科)の4回体制。
日本女子大学附属 2/2午後入試(算国)を第3回として新設(定員30名)。第1回は15名減の85名、第4回は15名減の15名。海外帰国生入試を廃止。
明治大学付属世田谷(旧・日本学園) 2/2午後に算数・理科入試を新設(定員は男女計20名)。第1回(2/1午前)は男女各5名減の30名、第3回(2/4午前)は男女各5名減の20名。
光塩女子学院 総合型入試を2/1午後へ移し「総合」1科目で判定(定員10名減の15名)。2/1午前に4科型を新設(定員30名)。2/2午前は定員15名減の25名、2/4午前は4科型から2科型へ変更し定員5名減の10名。
大妻多摩 適性型思考力入試(2/1午前)を廃止し、2/2午前に2科4科選択入試を第3回として新設。第1回は2科4科選択制、第2回・第4回は2科・1科(算数)選択制へ。定員は第1回45名、第2回35名、第3回30名、第4回20名、第5回10名。
鎌倉女学院 1次入試を2/1午前から2/1午後へ移し4科から2科へ。3次入試を2/3午後から2/3午前へ移し2科から2科・4科選択へ。2次入試(2/2午前)は2科・4科選択から4科へ。
山手学院 特待選抜II(2/2午後)を廃止。特待選抜I(2/1午後)を「特待選抜」に改称し、定員を20名増の60名へ。
東京農業大学第一 第4回入試(2/4午前)を廃止。第1回(2/1午前)は40名から60名へ、第2回(2/1午後)は85名から80名へ。第3回(2/2午後)は60名のまま。
女子美術大学付属 第3回入試(2/3)を廃止。
聖園女学院 2/4午後に「活動アピール型入試」を新設。
東京都市大学等々力 英語1教科型入試を「英語選択型」として2/3午後へ移動(英語のみ、または英・国・算の3教科型を選択)。第1回特選入試(2/1午前)はスライド合格あり(若干名)に変更。
大宮開成 1/12午後に「算数選抜入試」を新設。
栄東 1/10・1/11はいずれも東大・難関大両クラスの募集に変更。1/12の東大特待は算数1教科型から算国2教科の「算数重視型」へ変更し、4教科型との併願が可能に。1/18の「東大II」は廃止。

1月の埼玉入試でも大宮開成の算数選抜新設、栄東の東大特待の科目変更など、「算数1科」から「算数重視の2科」へ寄せる動きが見られます。

共学化・校名変更・系列校化

2027年度は「学校そのものが変わる」ケースが3件あります。いずれも初年度は過去の倍率や合格ラインがそのまま参考にならないため、説明会で最新の方針を確認しておきたい学校です。

新校名(2027年4月〜) 現校名 内容
吉祥寺湧水中学校・高等学校 藤村女子 2025年10月20日に発表。2027年4月から共学化し校名変更。校舎リニューアルもあわせて実施。
法政大学千代田三番町中学校・高等学校(予定) 東京家政学院 学校法人法政大学と学校法人東京家政学院が2026年3月9日に基本合意書を締結。2027年4月から法政大学の系列校となり校名変更。四谷大塚の一覧では「今後共学化も検討」とされています。
開智横浜国際 聖ヨゼフ学園 校名を変更し、設置法人を開智学園へ変更。

英検・英語資格の活用拡大

英語入試を「独立した1科目」として課す形から、英検級を加点や得点換算として組み込む形へ移す学校が目立ちます。英検を持っている受験生は、出願前に各校の換算表を確認しておくと有利です。

  • 共立女子: 2/3午後の「英語4技能」「合科型」を廃止し、「2/3午後2科入試」(国語・算数各50分100点、募集55名)へ。英検3級から1級まで最大10点を加点。海外帰国生入試(11/29〜)も英検級による国語の得点換算を廃止し、2科の得点に英検級(5〜15点)を加点する方式へ。学校公式発表は2026年3月10日。
  • 神奈川大学附属: 第1回入試(2/1午後)に英語資格による国語の得点換算(J_DES)を導入。帰国生入試は英語の独自試験を廃止し、算数と英語資格による評価へ。
  • 海陽中等教育学校: 入試I(12/19)・入試II(1/6)で英検資格利用を導入。特待給費生入試(12/12)では不合格者のうち成績上位者を「特待S」として認定。視聴型入試は1/6午後に集約し算数分野を追加。
  • 白百合学園: 一般入試(2/2午前)に算数・国語・英語(またはフランス語)の「B方式」を新設。算国は4教科入試と同内容。
  • 桐蔭学園: 第2回(2/2午後)グローバル入試の「算数基礎」を、同日実施の2科入試と同内容の「算数」へ変更。
  • 東京都市大学等々力: 前述のとおり英語1教科型を英語選択型へ(2/3午後)。

定員・科目の変更

学校 変更内容
鷗友学園女子 第1回(2/1午前)の定員を20名減の160名、第2回(2/3午前)を20名増の60名へ。合格発表は翌日11:00(従来の12:00から1時間繰り上げ)。
日本大学第二 2科入試が選択可能に。第1回の定員を男女各6名減の74名へ。
安田学園 第5回入試(2/3午前)の試験科目を4教科から理科・算数へ変更。

併願戦略への影響と、いま取るべき対策

  1. 2月1日午後は「本命の抑え」から「もう1つの本命枠」へ。城北の算数選抜、大妻の2科、山手学院の特待選抜など、上位・中堅上位校が午後に新設・拡充しています。午前校との移動時間を含めて、2/1の1日で2回受ける前提の体力配分を早めに練習しておきましょう。
  2. 2月4日以降の受け皿が減る前提で、2/2・2/3までに合格を1つ確保する。城北(2/4)、東京農業大学第一(2/4午前)、大妻(2/5)、女子美術大学付属(2/3)が後半の回を廃止します。後半日程に頼る併願は組みにくくなるため、1月入試(埼玉・千葉)で実戦経験と合格を得ておく意味が増しています。
  3. 英検は「持っているなら必ず申告」、これから取るなら出願締切から逆算。共立女子・神奈川大学附属・海陽など、級によって加点や換算が変わります。各校の換算表と、英検の受験日・合格発表日を出願スケジュールに重ねて確認してください。
  4. 共学化・系列校化の初年度は倍率が読みにくい。吉祥寺湧水、法政大学千代田三番町、開智横浜国際は過去データが使えません。説明会で「初年度の募集人数」「合格判定の考え方」を直接聞き、第一志望群ではなく併願校として位置づけるのが無難です。
  5. 算数重視の傾向は続く。算数1科・算数選抜の新設(城北、大宮開成)や算数重視型(栄東)は、算数の得点力がそのまま合格に直結する入試です。得意な子には強力な選択肢、苦手な子は避けるという明確な判断ができます。

都立中高一貫校(2027年度)の日程

私立と併願する家庭が多い都立中高一貫校は、東京都教育委員会の実施要綱に基づき次の日程です。

区分 検査日 合格発表
一般枠募集 2027年2月3日 2027年2月9日
特別枠募集 2027年2月1日 2027年2月2日

対象は都立中等教育学校5校(小石川・桜修館・南多摩・立川国際・三鷹)と併設型都立中学校5校(白鷗・両国・富士・大泉・武蔵)。募集要項は9月ごろまでに各校が作成して公表し、募集人員は10月に発表予定です。

9月以降のスケジュールと確認事項

  • 9月〜10月: 各校の募集要項が順次公開されます(城北は9月1日に公開済み、共立女子は夏ごろの公開を予告)。変更点は要項の「募集人員」「試験科目」「加点・換算」の欄で必ず原文を確認しましょう。
  • 学校説明会: 共学化・系列校化する3校と、午後入試を新設する学校は、説明会で初年度の判定方針が語られることが多いです。日程は各校公式サイトで確認してください。
  • 四谷大塚の一覧は随時更新: 3月11日版の4校から8月7日版の25校まで増えてきました。10月以降も追加される可能性があるため、志望校が載っていなくても募集要項で再確認をおすすめします。

よくある質問

2027年度入試で変更点がある学校はいくつありますか?

四谷大塚「2027年入試変更点」の2026年8月7日更新版には25校が掲載されています。今後の追加もあるため、最新版は四谷大塚入試情報センターで確認できます。

2月1日午後入試を新設する主な学校は?

城北(算数選抜・定員30名)、大妻(2科・定員40名)、光塩女子学院(総合型を2/1午後へ移行)、鎌倉女学院(1次入試を2/1午後へ移行)などです。山手学院は2/1午後の特待選抜の定員を60名へ拡大します。

共学化する学校はどこですか?

藤村女子が2027年4月から「吉祥寺湧水」として共学化します。東京家政学院は「法政大学千代田三番町」として法政大学の系列校になり、四谷大塚の一覧では「今後共学化も検討」とされています。

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出典

最終更新: 2026年9月6日。掲載内容は出典時点の公表情報に基づきます。最新の募集要項は各校公式サイトで必ずご確認ください。

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合格之助(中村先生)
合格之助(中村先生)

中学受験専門塾で長年、受験生と保護者の進路相談を担当している中村です。偏差値・倍率・過去問傾向・学校ごとの出題特徴をもとに、志望校選びをわかりやすくサポートしています。

特に得意なのは、単に偏差値だけで学校を判断するのではなく、
「倍率」「受験者数の推移」「合格可能性」「併願パターン」まで含めて、一人ひとりに合った本当に狙いやすい学校を見つけることです。